αxSC シンポジウムシリーズ
-- 「なにか」とスーパーコンピュータ --

「通信-ネットワークとスーパーコンピュータ」

シンポジウム概要

「なにか×スーパーコンピュータ(SC)」というテーマを掲げることにより、その「なにか」の分野とスーパーコンピュータの分野で新しい共同研究が生まれることを期待したシンポジウムです。様々な分野にコンピュータが利用されている現在では、スーパーコンピュータセンターのあり方もこれまでとは変わる必要があります。そこで、これまでのスーパーコンピュータ利用者だけでなく、新しい分野にスーパーコンピュータを使ってもらい、より良い成果やこれまでにない成果の創出に繋がる切っ掛け作りが必要となります。今回はその「なにか」を「通信・ネットワーク」とし、スーパーコンピュータとは直接的に関係の無い「通信・ネットワーク」の研究者や企業の方にもご講演いただき、「SC」と「通信・ネットワーク」でお互いに何かできることは無いかを最後に議論し、新しい可能性を見つけ出します。

開催日時

2019年 1月23日(水) 13時20分 ~ 19時00分

プログラムおよび講演資料

13:20~13:30はじめに
13:30~14:10講演者:南里 豪志(九州大学 情報基盤研究開発センター)
講演題目:スーパーコンピュータの中のインターコネクトネットワーク
講演概要:
現在用いられている全てのスーパーコンピュータは、数千~数万台の計算ノード を相互接続した分散メモリ型並列計算機と呼ばれる形態で構成されている。このようなスーパーコンピュータの 性能を十分に発揮させるため、ノード間を接続するインターコネクトネットワークには、高い性能と機能が求められている。本講演では、最近のスーパーコンピュータで用いられているインターコネクトネットワークについ て、遅延時間、帯域幅などの性能や、RDMA、オフロードなどの特徴的な機能を紹介する。
14:10~14:50北辻 佳憲(KDDI総合研究所 モバイルネットワークグループ)
講演題目:KDDIの5G技術戦略と研究開発の取り組みについて
講演概要:
本講演では、KDDI・KDDI総合研究所が進める第5世代移動体通信システム(5G)の検証と、これを活用する通信サービス・ユースケース、それらを実現する技術の研究開発について紹介する。また、5Gを活用する通信サービスの提供に向けた標準化の取り組みについても併せて紹介する。
14:50~15:30講演者:小谷 大祐(京都大学 学術情報メディアセンター)
講演題目:インターネット上のクラウドやコンテンツ配信を支えるネットワーク技術
講演概要:
インターネットにおけるクラウドサービスの利用の増加やコンテンツ配信の重要性が高まり、巨大で広域なデータセンタネットワークや広帯域のネットワークインターフェイスを最大限に活用してエンドユーザにサービスを届ける技術が重要になってきている。本講演では、サーバからエンドユーザに効率的にコンテンツを届けるために利用される最新の技術を俯瞰し、特にネットワークI/Oの高速化やプログラマブルでフレキシブルなネットワーク、コンテンツ配信など鍵となるトピックを紹介する。
15:30~15:45休憩
15:45~16:25講演者:鷲北 賢(さくらインターネット株式会社/さくらインターネット研究所)
講演題目:クラウド実装におけるInfiniBand利用
講演概要:
さくらのクラウドは2011年に開発・リリースしたサービスです。インターネットサービスとしては珍しくInfiniBandを採用し、サーバ・ストレージ間接続に利用しています。本講演ではシステムの構成を簡単にご紹介した上で、InfiniBandを採用した理由や利用状況を説明します。Ethernetで提供しているサービスとの運用上の比較やメリット・デメリットについてご紹介する予定です。
16:25~17:05講演者:篠原 真毅(京都大学 生存圏研究所)
講演題目:マイクロ波を用いた遠距離ワイヤレス給電の研究開発現状
講演概要:
近年世界中で携帯電話のワイヤレス充電器が広まり始めた。これらは電磁誘導現象に基づくワイヤレス給電で、送受電間の距離を離すことができない。そこで次のワイヤレス給電として、遠距離からワイヤレス給電できるマイクロ波送電に注目が集まっている。マイクロ波送電は、電池レスのIoT(Internet Of Things)センサーや、気づかぬうちにワイヤレス充電できる携帯電話、さらには宇宙太陽光発電まで幅広い応用があり、研究開発が進んでいる。本講演では最新のマイクロ波送電の研究開発現状を紹介すると共に、マックスウェル方程式や電磁界/電磁波理論に基づくマイクロ波送電の理論に関し紹介する。
17:05~17:45講演者:村田 健史(情報通信研究機構)
講演題目:映像IoTと大規模深層学習
講演概要:
映像IoT(Internet of Things)は2016年に提案された新しい概念であり、広域展開された多地点カメラによる映像ビッグデータからの情報抽出技術である。本発表では映像IoTのための全方位型インテリジェントカメラシステムを提案し、その有効活用事例を紹介する。一方、映像IoTによる膨大な画像から情報抽出を行うためには機械学習や深層学習が有効であるが、スーパーコンピュータを用いた深層学習(ディープラーニング)技術の有効性についても議論する。
17:45~18:30総合討論
18:30~19:00まとめ
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