αxSC シンポジウムシリーズ
-- 「なにか」とスーパーコンピュータ --

「フィールドワークとスーパーコンピュータ」

シンポジウム概要

本セミナーは、α×SC2020K フィールドワークとスーパーコンピュータに関するシンポジウムとの合同開催とし、九州大学大学院医学研究院の二宮利治氏、秋山雅人氏、京都大学高等研究院 / 京都大学野生動物研究センターの山本真也氏、京都大学学術情報メディアセンターの中村裕一氏、愛知大学地域政策学部の鈴木臣氏にご講演いただきます。

開催日時

2020年11月 6日 13:20 - 19:00

プログラムおよび講演資料

13時20分~13時30分はじめに
13時30分~14時15分講演者:二宮 利治(九州大学大学院医学研究院 教授)
講演題目:地域コホート研究の実際:久山町研究を中心に
講演概要:
福岡県久山町では、1961年より地域住民を対象とした心血管病、認知症、生活習慣病に前向きコホート研究(久山町研究)を継続している。本講演では、久山町研究での経験をもとに地域コホート研究の実際について紹介する。
講演資料
14時15分~15時00分講演者:山本 真也
   (京都大学高等研究院 准教授 / 京都大学野生動物研究センター 兼任准教授)
講演題目:野生ウマの個体間関係と群れ間関係
講演概要:
野生で暮らすウマを、ドローンを使って調べる研究に着手した。ウマを1個体ずつ個体識別したうえで、上空に飛ばしたドローンから、見える範囲のウマすべてを記録する研究である。こうした新機軸のフィールド研究により、群れを形成するウマの集団内の個体間関係に関するルールや、複数の群れが集まって重層社会を形成することが定量的に明らかになってきた。
講演資料
15時00分~15時45分講演者:秋山 雅人(九州大学大学院医学研究院 講師)
講演題目:大規模化するヒトゲノム解析
講演概要:
近年のヒトゲノム解析は、日本を含む様々な国で構築されたバイオバンクの整備により大規模化しており、数十万人~100万人規模での報告もなされるようになった。また、環境要因と遺伝要因が影響する多因子形質の感受性座位を特定する手法である、ゲノムワイド関連解析(GWAS)では、スクリーニングのために、数千万の遺伝的変異を対象に関連解析が実施される。本講演では、演者が理化学研究所でバイオバンク・ジャパンの解析を担当した経験、最近のヒトゲノム解析の実際とそれに必要な計算資源利用の現状について紹介する。
講演資料
15時45分~16時05分休憩
16時05分~16時50分講演者:鈴木 臣(愛知大学地域政策学部 教授)
講演題目:分光イメージング観測でみる超高層大気
講演概要:
大気光イメージング観測は、超高層大気(高度およそ100 km 以上の大気)の発光現象である大気光をトレーサとして、大気のダイナミクスを可視化するユニークな観測手法である。超高層大気の環境を把握することは、地球と宇宙の力学的なつながりを解明するという理学的な目的だけでなく、我々の社会基盤の維持や宇宙利用にも貢献する。本講演では、現在進められている複数の大気光カメラを利用した汎地球規模の同時観測網の整備について紹介する。
講演資料
16時50分~17時35分講演者:中村 裕一(京都大学学術情報メディアセンター 教授)
講演題目:サイバーフィールドワークとその展開
講演概要:
学術情報メディアセンターでは、「サイバーフィールドワーク」として、京都大学の研究者等と協力し、種々のフィールドの資料や観測データを用いて、その分析などの体験を行うバーチャルなフィールド体験学習を企画してきた。2017~2019年に、京都府立城南菱創高等学校の生徒(各年度毎に約80名強)に対して半日のコースを提供し、好評を得るとともに、学内の研究者との共同研究のきっかけも得た。その概要と今後の展開の可能性について紹介する。
講演資料1 講演資料2
17時35分~18時30分総合討論
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