αxSC シンポジウムシリーズ
-- 「なにか」とスーパーコンピュータ --

「ゲームとスーパーコンピュータ」

シンポジウム概要

これは、「なにか×スーパーコンピュータ(SC)」というテーマを掲げ、その「なにか」の分野で、今までスーパーコンピュータとの関わりがあまりなかった方、および、既にスーパーコンピュータを活用されている方、それぞれにご自身の研究や業務の内容を講演して頂き、さらに、それらを踏まえた講演者および参加者の意見交換を行うシンポジウムです。 今回はその「なにか」を「ゲーム」とし、4名の講演者の皆様に、将棋や囲碁のような対戦ゲーム、さらにモバイルオンラインゲームや社会問題の解決を目的とするシリアスゲームを題材に、現在の取り組みや将来の展望、さらにスーパーコンピュータ活用の可能性について、ご講演いただきます。
また、講演終了後に、本テーマに関する参加者を含めた意見交換を実施し、これまでにない成果の創出につながる新しい可能性を探求したいと思います。これにより、相互の情報交換や交流を促進するとともに、さらなるスーパーコンピュータ活用の可能性の模索や、そのためのスーパーコンピューティング環境改善を図ります。

開催日時

2022年 4月8日 13時00分 - 17時30分

場所

オンライン開催

主催

主催: 九州大学 情報基盤研究開発センター
共催: 京都大学学術情報メディアセンター

プログラムおよび講演資料

13時20分~13時30分開催挨拶
13時30分~14時15分講演者:美添 一樹(九州大学情報基盤研究開発センター 教授)
講演題目:「大規模な計算資源の強いゲームプレイへの貢献」
講演概要:
深層学習と探索を用いたAlphaGoが囲碁棋士を倒したことは記憶に新しい。本講演では、深層学習モデルのトレーニングと並列探索の2つの観点から大規模な計算資源がどのように強いゲームプレイに貢献したのかを解説する。さらに強いゲームAIの研究から得られた手法が他の分野にもたらしつつある貢献について、講演者の研究にも触れながら紹介する。
講演資料
14時15分~15時00分講演者:濱田 直希 (KLab株式会社)
講演題目:「機械学習とスパコンが切り拓くモバイルオンラインゲームの未来」
講演概要:
昨今のモバイルオンラインゲームの世界市場規模は7兆円に達し、なお急速に拡大を続けている。それに伴ってゲームの開発・運用も急速に大規模化しており、効率化が不可欠になっている。KLab株式会社では、ゲームの開発・運用で生じる豊富なデータを活用して、様々な機械学習に取り組んでいる。本講演では、九州大学櫻井研究室との共同研究による、リズムアクションゲームの譜面生成について紹介する。スパコンで深層生成 モデルを訓練し、その結果をクラウドにデプロイすることで、研究成果を瞬時に利用可能にした。最後に、機械学習とスパコンによって可能となる新たなゲームについて展望を述べる。
講演資料
15時15分~16時00分講演者:松隈 浩之(九州大学大学院芸術工学研究院 准教授)
講演題目:「シリアスゲームプロジェクトinメタバースは可能か!?」
講演概要:
シリアスゲームとは社会問題の解決を目的に据えたデジタルゲームであり、2009年から高齢者のリハビリヘルスケア支援をテーマにシリアスゲームプロジェクト(SGP)を推進しております。また、2020年以降、コロナ禍で直接会うことに制約がかかる社会情勢 にあわせて、大橋キャンパスを3DCGで作成し、その中で謎解き脱出ゲーム『オルタグ-大橋キャンパスを目指せ』をプレイするという(流行の)メタバース的な取り組みを実験的におこなっております。本講演では「ゲーム」という切り口で「シリアスゲームプロジェクト」および『オルタグ-大橋キャンパスを目指せ』の解説をするとともに、メタバース空間でシリアスゲームの実施は可能か、その場合にどれくらいのコンピュータによる計算が必要になるのだろうかという内容でお話しできればと思います。
16時00分~16時45分講演者:田中 哲朗(東京大学情報基盤センター 准教授)
講演題目:「ゲームの解決」
講演概要:
特定のゲームを対象にしたゲームプログラミングの研究では、「人間のトッププレイヤを倒す」「ゲーム解決」という2つの大きなマイルストーンがある。この2つのマイルストーンを達成するためには、大量の計算機資源が必要となる。本講演では、まず、講演者が開発に参加したGPS将棋の話を中心に、過去にコンピュータプレイヤーがどのように人間のトッププレイヤを超えてきたかを紹介する。また、次のマイルストーンである「ゲーム解決」について。過去に解決されたゲームと、今後の展望について解説する。
講演資料
16時45分~17時30分総合討論
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