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: 参考文献 : ssh1 : 4.4 TTSSHの設定

5. おわりに

今回は通信内容を暗号化するSSHについて解説しました.研究者だけのネットワー クだったインターネットは,現在では企業や団体,個人へと利用者の裾野を広げ, 誰にでも使える社会の情報基盤となりつつあります.ネットワークが使えるとい う利便さの反面,盗聴やなりすましなどの危険性が増えてきたことも事実です. そこで,危険を防いで安全にネットワークを利用するための技術が開発されつつ あります.

インターネット上に悪意を持つ人の存在を仮定せずに,暗号化や認証などの防衛 手段を使用しないという方法もあるでしょう.とはいうものの実世界では,お出 掛け前に家に鍵を掛けない人は少ないと思います.つまり,ほとんどの人が泥棒 などの悪意のある者の存在を仮定して行動しているわけです.インターネットも 人間が構築して利用しているのですから,社会から解離した存在ではなく実社会 の一部であり,悪意を持つ人も存在します45#45

今回解説したSSHは,インターネットでの通信の安全性を確保するための技術の1 つです.ただしSSHを用いても完全に安全という訳ではありません.例えば,個 人の秘密鍵とパスフレーズを知られたならば,他人にログインされる可能性があ ります.それでもtelnetと異なり,平文でパスフレーズが盗聴される可能性は随 分と減少します.自分の事は自分で守れるような仕組を利用してみてはいかがで しょうか.



平成12年1月7日