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利用の手引・ライブラリ編(第2版), 九州大学大型計算機センター, 1994年3月. 本文194ページ。


★注意★ ファイルのサイズが大きいため、転送には注意してください。 現在、冊子体のライブラリ編は更新していません。 手引の内容は、センターホームページに適宜移行中です。


第2版 まえがき

本利用の手引は、九州大学大型計算機センターで利用できるプログラム・ライブラリの中で、応用プログラムに関するガイドブックです。 前回1976年に発行された改訂第2版掲載分については、現在のシステムにあわせて使用方法を書き改め、更に第2版では現在サポート中の応用プログラムの紹介を行うなど、全面的な改訂をおこなっています。

「改訂第1版 まえがき」の指摘通り、1976年時点から「計算に関する需要は、 今後質量ともに非常に急激に増加して」ゆきました。 センターでサポートするライブラリの中身も、当時から大きく変わってきています。 数値計算や統計解析に関するライブラリの優れたものは統合、整理され、汎用パッケージとして提供されました。 また、文書整形システムや数式処理システムが研究室や自宅に居ながら利用できる環境になりました。 ざっと、17年前から主流になったライブラリと、消えていったライブラリを眺めてみると、 主流となったライブラリの大きな特徴は、計算機環境を選ばないということです。 例えば、統計解析システムSASはパーソナル・コンピュータでもワークステーションでもセンターの汎用機でも動き、必要なデータは完全に互換が保たれています。 これに対し、特定の計算機上の特定のOSでしか動作しないライブラリは、 計算機環境の分散とともに、その機動性のなさが欠点となり、 最低限必要な出力データの互換性すら保証できず、消えていく運命となりました。

また、研究室単位への計算環境の分散と同じくして、大規模数値計算の需要が急激に増加しています。 スーパーコンピュータの急速な大容量化、高速化によって、配列がたくさん取れるようになりました。 配列がたくさん取れれば、より「連続」に近づくことができます。「連続に近いもの」がコンピュータ内で表現されれば、 研究者はその結果から、より多くの意味ある結果を導き出すことができます。 この「速い」と「でかい」は計算機の世界では良いこととされています。 皆さんも、何の罪もない一昔前のコンピュータを前に「遅いぞ!」と罵声を浴びせる知り合いの姿を見たことがあると思います。

プログラム言語の世界では、センター開設当時からサポートされているFortranは、 幾つかの改訂を経て、現在はCの挑戦を受けながらも、科学技術計算の主役の座を譲っていません。 そして、その配列をこねくりまわす演算との相性のよさを武器に次の世紀をむかえるまで、Fortranがスーパーコンピュータの主力言語として頑張ることでしょう。 センターに最も貢献したライブラリとして、ここに心から感謝する次第です。

『利用の手引・ライブラリ編(第2版)』 編集作業は,以下の者が担当しました.

研究開発部     : 佐藤 周行,木實 新一,渡部 善隆,畑 三千代,境 理恵子
共同利用掛     : 垣内 良子
システム運用掛 : 浦川 伸治
システム管理掛 : 山嵜 信広,肥田木 直子
ネットワーク掛 : 多久島 智 

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