- pLaTeXのインストール
『[改訂第3版]LaTeX2e美文書作成入門』奥村 晴彦 著
技術評論社, 2004, ISBN4-7741-1940-7, 2,980円.
付属のCD-ROMpLaTex2eをインストールしました.
上の環境では,付録Gに従って問題なく実行できました.
- Prosperのインストール
入手先のhttp://prosper.sourceforge.net/
からファイルをダウンロード
します.実行時の最新版はprosper-1.00.4.tar.gz
でした.
拡張子.tar
, .gz
はUNIX(でほぼ)標準のディレクトリを
tar
コマンドでひとつのファイルにまとめて
gzip
コマンドで圧縮しているファイルであることを意味します.
Windowsにインストールするためには,ファイルの圧縮を解除(解凍)して
展開する必要があります.方法としては,
- 一度UNIX計算機で解凍・展開を行なって転送
- Windows環境に解凍・展開のコマンドをインストール
などが考えられます.
ここでは,Cygwinと呼ばれる,Windows OSで多くのUNIXコマンドが利用できる
環境を事前に構築した上でインストールを行ないました.
-
Cygwinを起動.
-
prosper-1.00.4.tar.gz
をCygwinのホームディレクトリから
見える適当な場所にコピー.
-
Cygwin付属
gunzip
コマンドとtar
コマンドを用いて
ファイルを展開.
$ gunzip prosper-1.00.4.tar.gz (ぽこ)
$ tar xvf prosper-1.00.4.tar (ぽこ)
|
新規にフォルダ prosper
が作成されます.
- pLaTex2eをインストールしたドライブ(例ではCドライブ)
の
\usr\local\share\texmf\tex\latex\misc
に
prosper
フォルダを移動.
\usr\local\share\texmf\tex\latex\misc
はpLaTeXが標準で参照するスタイルファイル集のフォルダです.
その他にも環境変数 TEXINPUTS
を設定する方法もあるそうです
(Windowsでは試したことはありません).
- dviファイルの作成
マニュアルに従ってスライドを作成します。
特に Windows 環境での注意点はありません。
日本語のファイル名は避けた方がいいかもしれません.
テスト環境ではテキスト編集はMedowを,
dviファイル作成はCygwinから platex
コマンドを用いました.
残念ながらこの時点で(dvioutなどを用いての)プレビューは出来ないようです.さらにPostScriptファイルへ変換します.
- PostScriptファイルへの変換
test.dvi
ファイルから
dvipsk
コマンドを用いてPostScriptファイル
test.ps
ファイルからを作成します.
綺麗な数式を得るためにはType 1フォントを利用する必要があります.
フォントが「がたがた」している場合は以下のオプションをお試しください.
dvipsk -D 600 -P dl test (ぽこ)
|
上のオプションは最後の段階でPDFファイルに変換する直前に指定すればよく,
作成段階では
でも構いません.
- PostScriptファイルのプレビュー
PostScriptファイルを表示するソフトとしては GSview がお勧めです.
本には GSview のもとになる Ghostscript が付属していますが GSview は
入っていません.スライド作成の際は PostScript ファイルで仕上がりを確かめる
必要があるため,日本語化された Ghostscript + GSview
を以下のサイトからインストールしました.
丁寧なインストールガイドがありますので,手順通りに進めば問題はないと思います.
注意点として,ユーザ名を日本語にしている場合にフォルダーの
作成に失敗することがあります.テスト環境では administrator にして全ユーザーに
インストールしました.
- PDFファイルへの変換
PostScriptファイルからPDFファイルへの変換を行なってはじめてアニメーション機能が利用できます.
変換はAdobe社のAcrobat 6.0(有料)付属の Adobe Distiller 6.0 を用いました.
ps2pdf
, dvi2pdf
コマンドは試していません.
注意点として,PostScript, EPS形式の画像を取り込んだPostScript
ファイルを変換する場合には解像度を調整しないと図がボヤけて
表示されることがあります.これは変換の圧縮率を調整することで解決できます.
Adobe Distiller を起動して「設定」→「ジョブオプション」の「圧縮」の項目の
dpiを最高値に,画質を「高」にすれば問題ないでしょう.
もちろん出来上がりのファイルは大きくなるので,
あとは画質/ファイルの大きさ/表示速度の兼ね合いになります.
設定したジョブオプションは例えば「prosper」などの名前で保存しておくと後に使い回すことができて便利です.
- Acrobat Readerによる表示
完成した PDF ファイルはフリーの Acrobat Reader で表示することができます.
全画面に切替えるには Ctrl キーを押しながら L を押し下げます.
全画面表示をやめるには Esc キーです.