西川 一郎:
楕円型逆固有値問題の解に対する精度保証付き計算,
九州大学大学院数理学研究科修士論文, 1999, 31pages.


逆問題とは、簡単にいえば、結果から原因を推定しようとするものである。 本来固有値問題とは、与えられた線形微分方程式に対して、 固有値および固有関数を解として求めるものである。 この問題は、一般的には、順問題といわれている。 本論文では、与えられた固有値からPotential関数を再構成するという問題を扱う。 これは、順問題とは、まったく逆の発想に基づいたものである。 本論文では、この問題を逆固有値問題という。 逆固有値問題は、1次元問題に対しては、 数学的にも工学的にも膨大な数の論文が存在するが、2次元問題に対しては、 まだまだ、発展途上の段階といえよう。

現在、逆固有値問題の真の解を計算機内でつつみこめる手法が、 Neherにより開発されている。その方法とは、計算機で計算可能なように、 有限個のdata(固有値)を与える。 そして、Potential関数をある関数の有限個の1次結合として、 その係数を精度保証付きで同定しようとするものである。 これにより連立非線型方程式を導き、その計算過程で導出される順問題を Shooting-methodにより精度保証付きで求めるものである。 しかし、この方法では、2次元問題を扱うことは、不可能である。 それに対し、本研究では、順問題の検証部分を見直し、 中尾の方法を適用することにより2次元の逆固有値問題の定式化、 そして、解の検証に成功した。 このように、逆問題を多次元に拡張することは、 理学、工学分野において有用であろうと確信している。

本論文では、逆固有値問題が非線型連立方程式に帰着され、 それを解くためのアルゴリズム、そのアルゴリズムの詳細、 そして、Neher の方法を見直すことにより2次元問題に対して、 検証が成功した数値例を順に追って述べる。31ページ.

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