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: 各システムの紹介 : GPM2000 : GPM2000

新システム全体の構成

まず最初に,2000年1月からの新システムの構成を図1に示 します.

図 1:新システム構成図
新システム構成図


今回の更新の大きな特徴は,前回の大型計算機センター広報の巻頭言[1] でもお伝えしている通り,(1)長きに亘って大型計算機センターの計算サービス を支えてきたMシリーズ(富士通M-1800/20U)が廃止され,並列UNIX計算機が導入 されることです.これにより本センターでの計算サービスは全てUNIXを介して提 供されるようになります.また,(2)計算機間のネットワークにギガビットイー サネットが導入されます.一方,(3)アプリケーション専用ワークステーション (以下WSと略記)は廃止いたします.(1),(2),(3)のそれぞれについて説明します.

まず,(1)のMSPシステムの廃止についてですが,大型汎用機を代表するMSPシス テムは今後も金融機関等の安定性や信頼性を求める機関では利用されると思いま す.しかし科学研究用の計算機として考えますと,MSPシステム用の数値計算ラ イブラリや各種アプリケーションは,ほとんど開発されていないのが現状です. 現在,高速かつ大規模な数値計算用として研究・開発・販売されている物は,ハー ドウェアもソフトウェアもUNIX用の物がほとんどです.このため本センターでは 計算サービスを提供する機関として,MSPシステムではなく並列UNIX計算機を導 入することになりました.

次に(2)のギガビットネットワークの導入についてです.年々,計算機間の通信 量は増えています.大規模計算用の入力データと出力データが大きくなっており, 実行前の研究室からの入力データの転送と,実行後の可視化処理などの後処理を 行うための結果データの転送が通信量を増加させています.ファイルサーバと他 の計算機との間のNFSを用いた大規模なファイル共有も通信量を増加させていま す.より高速な計算機間ネットワークを提供するため,ギガビットイーサネット を導入します.

最後に(3)の,アプリケーション専用WSの廃止についてです.近年,計算機の高 性能化および低価格化が進んでおり,特にパーソナルコンピュータ(以下PCと略 記)は飛躍的に性能が向上しています.その結果,以前は汎用機やWSにしか無かっ た様々な科学技術用アプリケーションが,PC用にも販売・配布されています.そ のため,センターでの高価なアプリケーション専用WSのサービスに対する需要は 減少しています.また,ほとんどの研究機関がインターネットに接続されたため, ほとんどの利用者はインターネット経由でセンター利用を行っています.このた め,センターを訪れる一般利用者用の計算機はあまり必要ありません.限られた 予算を効率よく用いるために,アプリケーション専用WSは廃止し,計算サービス に力を集中することになりましたのて,ご理解をお願いします.




平成11年12月11日